雑感 アーカイブ

2020-01-21

「笑う道化師」展2019.10.17〜28 アートスペース繭


アートスペース繭での2回目の個展が無事終わりました。
ご来場下さった皆さま本当に有り難うございました。
描き続けていく力を沢山頂きました。嬉しい出会いもありました。
また、今回の個展は、私にとって一言で言い尽くすことのできないくらい嬉しいことでした。
出会いは、2011年小野画廊Ⅱで「道化の春」展を開催していた時、
梅田さんとスタッフの方が、展示していた小さな会場に来てくれたのです。
細い綱を何メートルも渡ったような綱渡りサーカス芸人の気持ちでした。
今回も、梅田美知子さまとスタッフの皆さまに大変お世話になりました。
ありがとうございました。


笑う道化師」展

父は郵便局員だった。
夜になると常会所に隣近所のおばさん達をあつめ伊予漫才を楽しんだ。
歌、囃子は父が担当し、振り付けは女衆で作り上げた。
近隣の神社祭でお呼びがかかることもあり、
公演が間近になると女衆は我が家に集まり、扇子に松葉の絵を描いた。
金糸銀糸の縫い取りに鏡片やガラス玉を取り付けた折頭巾を、
酒を飲みながら夜なべで楽しそうに作った。
女衆があつまる夜を、安堵した気分で僕は見ていた。
隣の部屋で女衆の猥談に聞き耳をたてた。
なんて恥ずかしい大人達なんだ、とその当時は思っていた。
母の笑い声が時々聞こえた。
あれから60年以上たったが、今思うとあの父が村の女衆を纏めて、
伊予漫才のグループを永年引き継いできたことが不思議であった。
父はめちゃくちゃな男だったから。 




  夜泳














(2020.1.21)